21ビジネス総合研究所 人事労務ニュース
   
掲載日: 2008年05月27日
 
タイトル
 
    管理監督者の範囲の適正化について厚生労働省通達がでる。
       
 
記 事
 
     厚生労働省は4月1日付けで、「管理監督者の範囲適正化」について、十分な周知と適切な監督指導を求めて都道府県労働局長宛通達を出した。(基監発第0401001号)
 この通達は、企業が十分な権限と相応の待遇を与えていない実態が、最近の裁判所の判決(2008年1月28日に東京地裁で出された、日本マクドナルドの店長に残業代を支払え命令等)
で現れ、労働基準法(以下、労基法)における「管理職の範囲」が改めて社会的関心を呼んでいることが背景にある。労基法第41条2号で「管理監督者」について定めているが、この労基法41条はそもそも「労基法における労働時間・休憩・休日に関する規制」についての適用除外を定めたものであり、時間外等の割増賃金が支払う必要がないという規定(深夜割増賃金は必要)である。
通達の全文を記すると次のようになっている。
 
 労働基準法(昭和22年法律第49号)第41条第2号に規定する「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という)は、同法が定める労働条件の最低基準である労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用が除外されるものである。したがって、その範囲については、一般的には、部長・工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者であって、労働時間、休憩及び休日関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限定されなければならないものである。具体的には管理監督者の範囲については資格及び職位の名称にとらわれることなく、職務内容・責任と権限・勤務態様に着目する必要があり、賃金等の待遇面についても留意しつつ、総合的に判断することとしているところである(昭和22年9月13日基発第27号、昭和63年3月14日基発第150号、以下「解釈例規」という)。
 しかしながら、近年、以上のような点を十分理解しないまま、企業内におけるいわゆる「管理職」について、十分な権限、相応の待遇等を与えていないにもかかわらず、労働基準法上の管理監督者として取扱っている例もみられ、中には労働時間等が適切に管理されず、割増賃金の支払や過重労働による健康障害防止等に関し労働基準法等に照らして著しく不適切な事案も見られ、社会的関心も高くなっているところである。
 また、このような状況を背景として、管理監督者の取扱いに関して、労使双方からの相談が増加している。
 このため、労働基準監督機関としては、労働基準法上の管理監督者の趣旨及び解釈例規の内容について正しい理解が得られるよう十分な周知に努めるとともに、管理監督者のと利扱いに関する相談が寄せられた場合には、企業内におけるいわゆる「管理職」が直ちに労働基準法上の管理監督者に該当するものではないことを明らかにした上で、上記の趣旨及び解釈例規の内容を十分に説明する他、管理監督者の取扱いについて問題が認められるおそれのある事業所については、適切な監督指導を実施するなど、管理監督者の範囲の適正化ついて遺憾な息を期されたい。

 これが全文であり、通達も法律施行後、3回目となっている。今後労働基準監督署は、サービス残業も含め労働時間管理に真剣に取り組んで来ることが予想されるので、管理職の時間外と管理職の適用範囲に、もう1度見直すことが必要と思われる。

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